2021年に6月20日
ソロキャンできそうなキャンプ場はないかと、Google Mapをいじくっていると、ちらほら目につく「南河内グリーンロード」と言う文字。なんだこれは?
と調べてみると「南河内の山々を縫うようにつながる広域農道」とある。農道がどういったものなのかよくわからないが、ロードバイクで走るのに適した道らしい。さっそく走ってみた。
〈まずはスタート地点まで〉
南河内グリーンロードの北のスタートは羽曳野市。古市の少し東側だ。自宅からこのスタート地点まで約1時間かかるが、朝7時過ぎに出発したので道路も混まず、世界遺産の古墳群のこんもりした緑を眺めつつ走るのも楽しい。石川を渡ると一気に緑が多くなり、心がときめく。
石川沿いもチャリダーがたくさんいた。サイクリングに適してるようだ。今度走ってみよう。
〈いざスタート〉
南河内グリーンロードは下図のように南北に走っている。ブルーの線が本日走ったルート。約25km。本当は南側がまだ少し続いているが、体力の限界(涙)でここまでにした。
走りはじめるとすぐに太子町に入り、「道の駅 近つ飛鳥の里・太子」に到着。
同施設に隣接する竹内街道歴史資料館に寄りたかったが、コロナでなんと本日まで休業だそう。残念!
南河内グリーンロードは思ったよりアップダウンが激しい。苦労して登る、サーと下る(一瞬)、また苦労して登る…の繰り返し。はじめは面食らったが、これが延々続くとわかると、登りでは焦らず力まずパワーを温存するのが大切とわかってくる。途中、二輪車通行禁止の標識があってドキッとするが、自転車は関係ないので進む。
持尾展望台に到着。土地的には、太子町は終わり、すでに河南町に入っている。河内平野を展望。遠くにPLタワーが見える。
〈弘川寺〉
展望台を過ぎると長い下り。涼しく気持ちがいい。下りきって少し行くと、弘川寺の看板が。なんと「西行法師 終焉の地」と書いてある。ロードバイクで調子良く走っていると、寄り道がおっくうになる。このまま通り過ぎようかと思ったが、何か心に引っかかるものがあり、立ち寄る。
弘川寺の駐車場にロードバイクを停める。うむ、きれいな所だ。でも境内を少し覗いたら退散しよう…と思っていたのだが、本堂の荘厳な見映えに心打たれた。これはただのお寺ではない。
正面の入口からすでにただならぬ雰囲気。
本堂。広い空間の中央に、まさに鎮座しているという感じ。飾り気のなさ、言い換えると、必要なものだけが厳然とそこにある。本当に美しい。
すぐに退散するどころか、さらに奥に誘われてしまう。裏山を登ると、西行堂という簡素なお堂が。
かなり痛んでいるが、それでも…筆舌に尽くしがたい美。
さらに奥へ奥へ…こんなに登りやすい石畳はそうない。前日に雨が降ったためか、空気はひんやりと涼やかだ。
そして西行墳。ここも幽玄な空気をたたえている。西行さんがここに眠っているのだろうか。
仏には桜の花を奉れわが後の世を人とぶらはば
歌碑もたくさんある。西行さんが歌人としても親しまれていたことを思い出させる。
弘川寺に点在する建物や史跡は、それ単体の素晴らしさに加え、取り巻く空間の清らかさが並外れている。桜の名所らしいが当然時期を外しているのでそれはいいとして、散策中とにかく目を奪われたのは、青もみじである。
紅葉もさぞ美しかろう。
走るのを優先して通り過ぎなくて良かった。知らないことは恐ろしい。
〈再びロードへ〉
弘川寺を出ると、下河内、次いで上河内の集落となる。土地の人には失礼だが、田舎の風景はのんびり温かく、延々と上り坂なのだが、気が紛れて頑張れてしまう。しかし、上河内を抜ける最後の急坂は…ちょっと無理。押して上りました(笑)
登りきった先に、かつらぎ霊園。たぶん南河内グリーンロードの一番高い所だろう。
といっても、その眺望の先にはさらに高い山々が。方角的にたぶん金剛山地であろうか。まあ雄大なこと。
霊園からは長い下り。50km/hオーバー。気分は爽快。しかし下りがあればまた登りがある。国道309号線を越えてまた長い登り坂にかかっているとき、ローギアになかなか入らず、変速レバーをガチャガチャやってる間に、膝に負荷がかかって痛み出した(私の自転車は変速にクセがあって、チェーンにテンションがかかっているとローに入らない。調整不足なだけかもしれないが)。
あ、これあかんやつだ、と即座に悟り、国道310号線に出たところで諦める。登り坂がキツくてどこをどう走っているのかもよくわからない。知らない間に、千早赤阪村を抜けて、河内長野市に入ってるし…。あともう少し南へ、南海高野線の千早口駅まで行きたかったが仕方がない。だってここから自宅まで、まだ30kmくらいあるからね。膝をかばいつつペダルをこぎ、家に着いたのは14時過ぎ。ドアツードアで70km。なかなかのロングライドであった。