2021年8月8日
お盆休みを活用して、和歌山県の川湯温泉に家族旅行に行って来た。もちろん車で。ロードバイクではない(笑)
なお大学生の長男は、友達と和歌山県の無人島、地の島でキャンプとのこと。よって今回の旅行は家族4人。川湯温泉で一泊するが、道中いろいろな所をめぐり、結果的に紀伊半島の真ん中を一周する壮大な旅路となった(大げさ)。以下、振り返って記述する。
今回の旅のルート。
〈まずは十津川村の谷瀬の吊り橋へ〉
朝8時頃、堺市の自宅発。南阪奈道路で奈良県に入り、大和高田パイパスから京阪奈道路に乗り換え、一気に五條市へ。ここから地道で十津川村に入り、谷瀬の吊り橋に寄る。(上記地図のAの場所)
駐車場代が500円。吊り橋を渡るのはタダ。
かなり揺れるが、私と高校生の次男は余裕。お母さんはビビりながらも渡り切った。しかし小学生の三男は渡るのを拒否。実は三男はつい先日、習い事のツアーで谷瀬の吊り橋を経験済み。そこでよほど恐いめに合ったようだ(笑)
近くのバス停にあった路線図。大和八木駅から新宮駅まで、凄まじい駅の数だ。路線バスとしては日本一長い路線だそう。谷瀬の吊り橋と合わせ、日本一が2つも拝めるとは贅沢なスポットだ。
十津川温泉のホテル昴で昼食。同ホテル内で足湯を楽しみ、野猿(やえん)に挑戦。野猿はいわば人力のロープウェイだ。かなり力が要る。良い経験になった。
そして果無集落へ。車ですぐ近くまで行ける。(地図Bの場所)
素晴らしい眺望!と感動もつかの間…
コロナの影響で集落への立ち入りは禁止(泣) しかし母と次男は熱中症気味。これで良かったのかもしれない。早々に退散。
●参考:ホテル昴
●参考:果無集落(奈良県HP)
〈川湯温泉で一泊〉
16時頃、川湯温泉に到着。(地図C)
ペンション あしたの森にチェックイン。目の前が温泉の湧く大塔川という好立地。部屋もフローリングにベッドをしつらえ、お洒落で清潔な感じだ。水着に着替え川原にGO!
川原では自分で温泉を掘らないといけないのかと思っていたが、先客が石で囲ったお風呂跡があちこちにあって、これを活用すれば労せずして温泉に浸かれる。本当に温かく、気持ちが良い。あお向けに寝そべって、青い空を眺めつつ、ボーっとする。足だけ囲いの外に出して、川の冷たい水にさらす、なんて芸の細かい入り方もできる。もちろん本格的に川で泳ぐこともできる。これは大人も子どもも楽しめるスポットだ。
●参考:ペンション あしたの森
●参考:川湯温泉(熊野本宮観光協会HP)
〈熊野本宮大社へお参り〉
翌朝、ペンションを10時にチェックアウト。今回の旅の本命スポットでもある熊野本宮大社へ。(地図D)
天気は崩れて、あいにくの雨。が、暑さがマシになったので良しとする。
凄まじい歴史と格式のある神社だが、ミーハーな私は八咫烏(やたがらす)のカッコ良さに釘付けである。
知る人ぞ知る八咫烏ポスト。そのくちばしにもマスクが。ここまでされると少しウザったい。
しかし人は意外と少なく、神聖な空気は感じることができた。人でごった返す伊勢神宮より良い。
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」は、吉野・大峰、高野山、そして熊野三山をつなぐ遥かなる祈りの道だ。そのスケールに思いを馳せると、身震いするような畏敬の念がわき起こる。私は信仰心はないが、自然の万物に神が宿っていると感じ、人間の傲慢さを省み、ひるがえって自分の身の丈をわきまえ、足るを知るという考え方が好きだ。しかし世相は、表向きはそれを賛美しつつも、実態は他者を蹴落として私腹を肥やすばかりだ。そうして豊かになっておきながら、自分は誰にも迷惑はかけていない、まっとうな生き方をしていると本心で思っている。この都合良く自己内面が分裂しているのが現代人の救いがたさだ。これが当たり前だと受け入れられない私は、実は青二才なのであり、社会不適格者なのである。
何の話をしてるんだっけ。脱線した。熊野本宮を出れば、そのあとは実はノープラン。来た道を戻るのは面白くないので、北山村、下北山村、上北山村、川上村とぐるっと大回りして北上する、つまり国道169号線をひた走るルートを選択する。さて何が出てくるか、ワクワクする帰路だ。
●参考:熊野本宮大社
●参考:世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」(わかやま文化財ガイドHP)
〈北山村で出会った新しい家族〉
北山村に向かう道中、偶然見かけた滝。雨で水量が増したのだろうか。車を停めて、降りしきる雨の中、見いってしまった。
またしばらく走ると、道の駅おくとろに到着。雰囲気がリゾートっぽい。邪払神社という、妙にそそるネーミングの小さな神社がある。(地図E)
案内板を見ると、邪払(じゃばら)とは北山村由来の柑橘で、その恩恵にあやかって建てられた神社だそう。お母さんは、じゃばらポン酢を欲して隣接する土産物店を物色。そのあと周囲を散策。そして、運命の出会いが(笑)
清流の中に潜むアカハライモリを発見。子どもたち、この旅行で一番の大興奮。
捕まえた。連れて帰ると言う。母、困惑するも承諾。我が家に新たな家族が増えた。
イモリがいるのも納得。美しい神秘的な所だ。北山村は宿泊施設もあるし、キャンプ場もある。またいつか家族で来たい。
〈秘湯 入之波温泉〉
どんどん北上し、川上村に入る。ここは是非とも立ち寄りたい温泉、入之波温泉(しおのはおんせん)があったので立ち寄る。受付が16時までだったのを知らず、15時40分に到着。ギリギリセーフ。(地図F)
渋すぎる入口。まさに秘湯。
天誅組も湯治に来ていたらしい。ほんまかいな!
ここの湯は非常に独特で、カルシウム分が多いからか(あまり詳しくないので適当)、浴槽に析出物が付着して鍾乳洞のようになっている。上の写真は、建物の上から撮影したもの。建物の横にも温泉が流れ出し、析出物が固形化して赤茶けている。
入之波温泉を出てすぐ、大迫ダムを眺める。
●参考:入之波温泉湯元 山鳩湯
いよいよ旅も終わり。吉野町の津風呂湖の北にある吉野レストハウスで夕飯。(地図G)
別に高級なお店でもなく、地域の憩いの場という感じのアットホームな店だが、味とボリュームに家族全員大満足であった。とくにお母さんは焼肉定食にいたく感動して、また来たいと。こんなに興奮するのは珍しい。来て良かった。
20時過ぎ帰宅。振り返るとなかなか密度の濃い旅行であった。普段の旅行はもっと遠方に設定することが多く、移動に何時間もかけることが多かったが、今回は奈良・和歌山という比較的近いところに設定したのが良かった。そうすることで、短時間の移動で多くのスポットをめぐることができた。今後の旅行の参考にしたい。
あともう一つ、書いておく。下北山村あたりで、一台の自転車キャンパーを見かけた。私がソロキャンに行く時の装備よりもずっと多い大荷物だ。こちらは車でさっと追い抜くのだが、途中寄り道すると、その間に追い抜かれてまた前を走っている。そんなやり取りがあって都合3度すれ違った。フロントにもリアにもキャリアを積んで大層重かろう。しかも小雨だがずっと降り続いている。このコンディションで、このアップダウンをよく走れるものだと感心した。あの重装備だと、連泊で旅を続けているのかもしれない。車を運転中、日が落ちてヘッドライトを点灯すると、あのキャンパーはどうしているだろうかと気になった。どこかの宿にありついたのだろうか、適当にテントを張って野宿しているのだろうか、それともまだ走り続けている? 経験上、その過酷さが想像できる一方、うらやましくも感じたのであった。