tatsumitatsu

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サプライズ多き泉穴師神社

2021年11月17日

大阪府泉大津市にある泉穴師神社訪問。

先日、滝畑ダムの畔にある龍口明神にて、住吉明神と穴師明神が競い合った伝承を知り、(直接的な関係はなさそうだが)泉穴師神社に興味を持ったのだ。

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泉穴師神社は、和泉五社の一つ、泉州二ノ宮(一ノ宮は大鳥大社)とのことで、地域では相当格式のある神社のようだ。

祭神は天忍穂耳尊(あめのおしほみみのみこと)と栲幡千々姫命(たくはたちちひめのみこと)の夫婦神。天孫降臨の主役、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の父母神だ。

母神は紡績の神であり、泉州が紡績で発展してきたことと関連付けられているようである。父神の天忍穂耳尊は農耕の神だが、私にとっては日本神話の中でも一、二を争うダメ神様としての認識の方が強い(失礼)。というのも、天照大神から中津国を治めるよう神勅を受けたにも関わらず、二度にわたって逃げたからだ。二度目に至っては、子ども(瓊瓊杵尊)が生まれたのをこれ幸い、我が子に降臨させるという始末。いや、悪意はない。こういう人間臭いエピソードが数多くあるのが日本神話の面白いところで、重要な神様であればあるほど、こうした欠点や失敗はきっちり記録されているのである。素戔嗚尊を筆頭に、天照大神しかり、大国主神しかり、子どもの瓊瓊杵尊しかりである。

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脱線した。この夫婦神を祀る泉穴師神社であるが、非常に驚いたのは、拝殿前に設けられた二つの鳥居である。仲良く並んでいる。こういうのは初めて見た。和歌山県かつらぎ町(だったか?)にもっと有名な二つ鳥居があるが、こちらの方が親近感がある。お祀りしているのが夫婦神だからである。夫婦円満を取り持ってくれそうである。上さんの機嫌を損ねたら、連れてこよう(笑)

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二の鳥居をくぐった真正面にある太鼓橋。

もう一つの驚きは、神社に隣接してある「泉穴師神社の森」。樹齢600年を超える大楠があちこちにそびえたっている。その中の一つに…
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2018年の超大型台風で倒れた大楠。引っぺがされた巨根が天を向く異様な光景。なんというスケール。記憶がよみがえる。確か我が家も丸一日停電して難儀した。窓から外をのぞくと、鉄板がブーメランのように回転しながら道路を這うように飛んでいて、接触したら腕や首がすっ飛ぶだろうなと怖くなった記憶がある。しかしこんな大木までが倒壊していたとは…!

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しかし倒れた幹からは、新しい命が次々と芽生えている。生命の永遠性が感じられ、さすが御神木だなあとしみじみ。

 

穴師明神についてはさっぱり手掛かりがなかった。穴師というのは地名のようである。奈良県の山野辺の道の方にも同様の地名があるので、こちらは「泉穴師」というのだろう(推測)。

本日の走行距離は約35km。風邪気味でフラフラなのだが、意外なサプライズに出合え、嬉しいポタリングとなった。