2022年8〜10月
土日は相変わらず、東京中を自転車で走っている。
目的地を定めずに、今日は北東に向かって走ろう、などと方角だけ決めて出かけることも多い。そうして2、30kmばかし走ったところで、おもむろにスマホを取り出し、周辺に休憩できる所や、何かおもしろそうなスポットとはないかと探し始める。
人の多い場所は論外だ。自転車は乗ってる時は良いが、いざ降りるとなかなか神経を使うお荷物になる。人の邪魔になるし、盗られないかと心配にもなる。自然、人のいない裏寂れた所、公園とか神社とか河川敷とか埠頭とか、はたまた小規模なミュージアムなどを探して一服する。
前置きが長くなったが、ここ2、3カ月のポタリングで印象に残った所を書き留めておく。
東洋大学の創立者、井上円了博士によって創設された公園だそう。たまたま立ち寄ったのだが、とても面白かった。
公園の正門にあたる哲理門。別名、妖怪門。門の両脇に天狗と幽霊の像が安置されている。
これだけで、この公園は只者ではないと直感した。
絕對城(図書館)。雰囲気がすばらしい。
1階正面の石碑。釈迦、孔子、ソクラテス、カントを四聖として祀っている。上に、真善美と書かれているのが、いかにも哲学していて良い。
感動した。普段は公開していないようで、本当に運が良かった。
六賢臺(ろっけんだい)。聖徳太子などの賢人を祀っている。ここで、龍樹、迦毘羅なんて名前に出会えようとは…。
まったく偶然に立ち寄った公園でのサプライズ。だからポタリングはやめられない。
哲学堂公園の近くにあったので立ち寄る。
手塚治虫や石ノ森章太郎など漫画の神様たちが暮らしていたアパート。入館無料。
4.5畳。狭い…。
共同の炊事場。なおトイレも共同。風呂はない。
昭和だ。
なおコロナの影響か、入館は予約者優先らしい。私は予約なしだが、今の時間なら入れますよ、と受け入れてもらえた。ラッキーであった。
もう行きつけのスポットだ。東京ゲートブリッジを眺めつつのんびり。
■暁ふ頭公園
ここはもっと行きつけだ。というか、東京で一番好きな場所(笑) バーナーが使えるので、カップラーメンやコーヒーを沸かして一服できる。
赤坂の急坂をガシガシと自転車で楽しく登った所にある。東京の有名所の神社はおしなべて小綺麗な所が多いのだが、この神社は野放図というか割とワイルドで気に入っている。大阪や奈良の山間にある神社に近い空気がある。
拝殿かな。
山車。
山車の屋根に大和武尊。女装している!熊襲征伐を彷彿とさせる。すばらしい。
それにしても、周辺の坂道を上り下りするのは楽しい。東京に来る前は、大阪と奈良を隔てる、生駒や金剛山系、さらにその南部の和泉山脈の峠を攻略しまくった。東京の中心部に住むと、こうした峠道は縁がなくなる。赤坂氷川神社周辺の急坂はそれを懐かしく思い出させてくれる。
■乃木神社
宝物殿は乃木大将の人柄が汲み取れる展示がなされている。
境内摂社として正松神社がある。祭神は玉木文之進と吉田松陰。また乃木大将が殉死した旧乃木邸も隣接してある。歴史愛好家にはたまらないスポットだ。
以上、他にもいろいろな所に行ったが割愛する。それこそ、道に迷った先にたどり着いた素敵な場所もあるが、場所がわからないので二度と行くことはないであろう、そして私の記憶からもいずれは消え去るであろう、そんな所もある。
東京中をけっこう回ったと思う。しかし一方で、行き慣れたエリアも道を一筋違えると、まったく見知らぬ世界が開けるのだ。攻略する道やスポットは無限にある。これからも飽きることなくペダルをこぎ続けるであろう。