2024年2月17日(土)
故障した洗濯機の修理の立ち合いで午前中を潰す。14時にようやく外出。
佐伯祐三アトリエ記念館(新宿区下落合)に行く。自転車で約30分くらい。
パリでの活動が主だった佐伯祐三の日本での活動拠点がここだったそうである。
素敵な空間だ。
下落合のテニスの風景画。見慣れたパリの風景画とはまた違った趣き。
さてスーパーで買い物でもして帰ろう。ロードバイクで網の目のような住宅街の道をゆるゆるこいでいると、なんだ?佐伯祐三のアトリエに似た雰囲気の建物がある。気になって立ち寄る。
それが、中村彝(つね)アトリエ記念館。なんという偶然。
実は、中村彝と言われても最初は誰のことがわからなかった。
「頭骸骨を持てる自画像」。この絵を見て、あぁ知ってるわ!と。いや、これは素晴らしい作品だ。
アトリエも素晴らしい。
佐伯祐三には申し訳ないが、こちらのアトリエの方が良い。中村彝の身辺のお世話をした方が住んでいたという三畳間(写真は撮らず)は妙に生活感があって落ち着く。座り込んでしばらくボーとしてしまった。
両館とも美術館ではないので、作品はほとんど無い。が、訪れる人も少なく、心穏やかな一時を過ごせる。アトリエ、うん、いいね、などと心のなかで相槌なんか打ちながら。
帰路、切手の博物館があったので立ち寄る。
博物館の入口に変なポスト。グワシ(笑)
アトリエは両方とも無料であった。切手の博物館は有料だ(たぶん200円)。ここで少し逡巡する。アトリエ巡りで心がいい感じに整っていたので、お金払って時間もかけて、切手見るのもなんだかなと。スーパーだけ寄って帰宅する。
2つのアトリエは大変良かった。佐伯祐三の短くも壮絶な生き様を再確認できた。中村彝という画家を知ることができた。
特に中村彝の「彝」という漢字。これについても解説がされていた。
「彝」は、糸で羽を縛った鳥を両手で捧げ持ち生贄に捧げるさまを表していると。転じて儀礼の意となり、人の守るべき常道の意となる。よって「彝(つね)」は「常(つね)」。不変を表すと。
このような神秘的な文字に出合えたことも幸いである。しばらくすると忘れてしまうのだろうが(笑)、今この感動をここに記録しておく。