2021年10月17日
朝、雨が降っていた。11時頃に止んだのでポタリングへ出発。
堺と河内長野(ともに大阪府)をつなぐ西高野街道を南下する。途中、大阪狭山市で天野街道との分岐に出合う。
分岐にある祠と道標。
道標には、右 あまの道、左 かうや道、とある。天野街道は高野街道と同じく河内長野の方に向かっている。天野山 金剛寺というお寺がゴールだが、同寺は女人高野とも呼ばれ、昔、高野山は女人禁制だったことから、女の人はここから天野街道を選んで金剛寺に詣でていたと。ちゃんと調べてないから間違ってるかもしれないが、こんな認識を私は持っている。そんな歴史的な分岐点に今、私は立っている。よし、天野街道をゆこう。本日のルート決定。
しばらく進むと、車は進入できない散策道になる。これが凄く良い。未舗装の道だがスピードを出す訳ではないのでロードバイクでも問題ない。
秘境感が半端ない。こんなにワクワクする道はそう無い。坂道も多いが、フロントミドルで余裕で登れる。ドングリをプチプチ跳ね飛ばしながらゆっくり走る。今までいろいろな道を走ったが、一番楽しいかもしれない。
途中、一般の舗装道路に出る。大阪狭山市の最南端に、知る人ぞ知る穴地蔵がある。人間の身体のあらゆる穴の病気に霊験あらたかだそうだ。あらゆる穴…面白すぎる。
このあと河内長野市に入る。ここからの道も素晴らしい環境だ。車も信号もない気持ちの良い道を走ると、まもなく天野山 金剛寺に着く。が、その隣に気になる公園を見つける。
長野公園(天野山地区)というらしいが、公園というより山だ。天野山とはこれかもしれない(確証はないが)と思い、昼なお暗い坂道を、自転車を押して登っていく。
人気がなさすぎて怖い。イノシシ注意の看板があってさらに怖い。
うわ、ここまで来て通行止め!? と思ったら、看板にイノシシが畑を荒らすから扉の開閉をしっかりするように、と書いてある。そのとおりにする。扉を通過して進むと、やがて下り坂になり、反対側の麓に降りてしまった。あっけない。狐につままれたような感じ。
すぐ横にキャンプ場がある。奥河内天野キャンプの森というらしい。あまり使われてなさそうで、証拠に敷地内にはこれは綺麗な苔の絨毯が。
なんと見事な。しかし、キャンプ場として、これでいいのか?
エリア一帯に人気がない。雨上がりだからだろうか。静謐な、神秘的な感じ。正直言って好きである。来て良かった。
さて、天野山 金剛寺に行こう。
重文の楼門。左右に、増長天と持国天の像がある。暗すぎて写真に撮れなかったが、この二体の像も相当なものである。暗闇に像のまなこだけがボウっと浮かび上がる。その威容に戦慄が走る。境内は有料。時間がないので諦めた。後日、きちんと予習をしてから、万全の心持ちでお参りしたい。そう思える、張り詰めた空気があった。
楼門前に天野川が流れる。この川、実は西除川とイコールであり、狭山池につながり、やがて大和川に合流するのだ。川の流れのなんと遥かなるかな!
朽ち果ててなお人を惹きつける。土塀は、日本美の特徴を端的に表すものの一つだと思う。
調子に乗って別角度から(笑) いや素晴らしい。
本日の走行距離、ドアツードアで50km。天野街道は、これまで走ってきたどの道よりも記憶に残るものとなった。これは激坂が少ないことと関係していると思う。走りに余裕ができると景色もより楽しめるのだ。同街道は、陶器山や三都神社といった、今回スルーしたスポットもある。これからも何度となく走ることになるだろう。