2022年1月30日(日)
2周間ぶりのポタリング。近頃は海が恋しく、自宅から20kmと程よい距離の汐見埠頭(大阪府泉大津市)に行くことにする。
〈紀州街道をゆく〉
出発。堺市の自宅から、ロードバイクで国道26号を南下する。車が多く面白くない。紀州街道に移る。スピードは出せないが、風情がある。
シブい。立ち止まる。泉大津市助松町にある田中家住宅。
街道沿いに遥かに伸びる築地塀。紀州徳川家が参勤交代の時に利用したので助松本陣とも呼ばれたと。田中家は大庄屋を務めた豪農だそうだが、これはちょっと広すぎる。どれだけの富を独占していたのだろう? そしてどれだけの小作農が搾取されていたのだろうか? カムイ伝で仕入れたにわか知識で邪推する。
少し南に下ると、これまた異様な存在感を放つ一画が。助松村境石造物群というらしい。ここはかつての助松村の南端にあたり、災厄が村内に入り込まないようサイノカミ(道祖神)を祀ったという境神信仰にちなむそうだ。案内板によると、一つ一つの石碑に興味深い逸話があるのだが長くなるので割愛。
〈泉大津フェニックスへ〉
歴史の宝庫、紀州街道を離れ、いよいよ泉大津の港湾部へ。汐見埠頭はゴミの埋め立て地として、泉大津フェニックスという粋な名前が付いている。その計画が終了したのかは知らないが、広大な広場が作られ、夏フェスなどの野外イベントに活用されているという。さてどんなところか…。
泉大津フェニックスに到着。思ったとおり何もない。しかし、この何もないのが良いのだ。
広がる海。堤防。へたくそな落書き。そして自分一人。とても良い。
汐見公園で昼休憩。丘の上に、巨人の朽ちた兜のような建造物があったので陣取る。海の眺めは最高に良い。持参の折りたたみイスに腰掛け、おにぎり弁当、ホットコーヒー、菓子パンを食す。しばしボーッと。小さな子ども連れのファミリーがやってきた。こんな得体のしれないおじさんが居座っていると怖かろう。退散する。
〈帰路、大鳥羽衣濱神社へ〉
帰路、秘密の憩いの場に立ち寄って小休止。場所は、ちょっと明かせない。
高石市の大鳥羽衣濱神社に寄る。大鳥大社の摂社として知られ、一度立ち寄りたかった神社だ。
大鳥大社に大和武尊が祀られているのに対して、こちらはその妃である両道入姫命(ふたじいりひめのみこと)が祀られている。このように同じ地域にある神社が、関連しあって共存しているのは、知的好奇心が大変くすぐられる。
可愛らしい。
稲荷社も。
羽衣砂丘遺跡とある。遺跡よりも羽衣砂丘という言葉に魅せられる。砂浜に松林、そして天女様といった、お約束の羽衣伝説のイメージが湧いてくる。羽衣砂丘…ロマンチックな響きである。
海を見たくて飛び出したライドだが、大半は歴史散策になってしまった。まあいつものことである(笑)