2023年4月22日(土)・23日(日)
横須賀市にある記念艦三笠に行きたくなった。ただ自宅の四ツ谷からは自転車での日帰りはキツいので、三浦半島西岸の黒崎の鼻(三浦市)と呼ばれる岬でソロキャンする計画を立てた。三笠までは約65km、黒崎の鼻までは約80kmの道のりだ。
朝7時出発。
ロードバイクに荷物満載で、国道1号などを南下。横浜の少し南、海の公園で小休憩。
浜辺に人がたくさん。向かいに見えるのは八景島だそう。
記念艦三笠に到着。
日露戦争の日本海海戦の旗艦であった戦艦 三笠がそのまま保存されている。
東郷平八郎大将の像。
多数の舷側砲。これでドンパチし合うのだ。恐ろしい。
観覧料600円を払って艦内へ入る。
主砲。
砲員が働いてる図。
手前中央が東郷大将。右端がこの海戦の作戦を立案した秋山真之中佐。
絵画も豊富。
説明も豊富。
作戦会議が行われた長官公室。ロシア海軍の降伏申し入れもここで行われたのだそう。意外と天井が低い。
海戦中、東郷大将が立ち続けたという指揮塔からの眺め。
…と、艦内を移動中、右膝の異変に気づく。膝を曲げると痛みが走り、階段を普通に上り下りできないのだ。久しぶりにロードバイクで長距離を走ったからだ。
三笠さよなら。
ここから黒崎の鼻へ向かわねばならない。三浦半島の真ん中を北から南へ縦断するわけだが、想像した通りにアップダウンの激しい山道であった。膝が限界か、というところでヤオコー 三浦初声店に到着。立派なスーパーだ。ここで食べ物を調達。
黒崎の鼻はもうすぐだ。
他の方のブログにもあった、キャベツ畑。壮観だ。
そして藪の細道を通り抜ければ…
黒崎の鼻に到着。17時くらいか。曇り空で残念ながら富士山は見えなかった。
テントを張る。本日は私を含めて3張りだけ。釣り人はちらほら。
木切れを拾って焚き火。これが楽しみ。
火がなくなるとテントにこもって読書。疲労の極みで21時になる前には眠りに落ちた。
翌朝、鳥のさえずりで目を覚ます。
少し散策。びっこを引きながら。
鼻の尖端。晴れてたらどれほど素晴らしかったか…。
ここを利用している方々はマナーの良い人が多いようで、直火あとがほとんどない。ただ私が設営したところだけ、先客が残した燃え残りが雑然と残っていて、どうにも気になる。結局すべて持ち帰ることにした。
善行を積んでも膝の痛みは収まらない。
自宅まで80km。帰れるだろうか。自転車に乗り始めて、こんなに自信がなくなったのは初めてだ。ペダルをひとこぎするごとに、右膝に激痛が走るのである。
アップダウンの激しい三浦半島縦断は諦めて、遠回りになるが半島南部、三浦海岸や久里浜をぐるっと回ることにした。
膝に力を加えれないので、ギアは平地にも関わらずインナーロー(厳密にはローの1枚外側)である。ママチャリにも追い越される超スローペース。1時間もこぐと、痛みが我慢できなくなり、公園やコンビニに立ち寄り休憩する。横浜まで来てようやく道のりの半分、と思ったときは絶望しかけた。多摩川に着いた時は、ホッとするのではなく、本当にペダルを回せなくなった。
どうしよう。
コンビニの駐車場で途方に暮れた。
膝の痛みを分析する。
ペダルを回す、すなわち膝を伸ばし、そして折り曲げる際に激痛が走る。今、ひとこぎもできないというのは、伸びた膝を曲げることができないからである。
ここで閃いた。
膝を曲げっ放しの状態にすればペダルを回せるのでは!?
サドルを一番低くする。サドルに座る。ベタ足で地面に足がついて、なおかつ膝は曲がったままである。
恐る恐るこぐと…こげた!
上り坂は無理なので、自転車を降りて押す。キャンプ道具満載のロードバイクをびっこ引きながら押して歩く姿は、傍から見るとイタい光景だろう。
しかし私はへっちゃらであった。なんせ平地なら“こげる”のである。家に帰れるのである!
家に着いたのは17時50分。キャンプ地を立ったのは午前9時だから、なんと8時間50分もかかってしまった。
まったく笑い話にできない過酷さであった。情けないことに、三笠に出会った感動もどこかへ行ってしまった。
自重しよう。